地域活性と聞くと、「地域のために」事業をおこすものだととらえがちです。
けれど、「自分が」ワクワクすることこそ活動を続けるのに大切だったりします。
地域課題の解決をしながらも、自己実現をする。
そんな地域と自分のしあわせを重ね合わせる“福業”による地域づくりを「のろし」の皆さんは行っています。
先日Co-satenで行われたいちはら福業スクールの報告会から見えた、地域での自分のいかし方について考えていきたいと思います。
「のろし」は都内の会社員を主なメンバーとするプロジェクトチームです。
「いと惜しい(=もったいない)」地域資源を活用し、「愛おしい」と思う地域への愛着を生み出すことを目指しています。
廃材も空き家もその土地の生活文化もすべてが地域の宝。
資源を活かすために創造力を発揮し、豊かな自然に癒され、地元の人とのふれあいから元気をもらう。
そんな何気ないくり返しによって、しあわせの度数が上がっていくのだといいます。
今回市原で行われた福業スクールも、「自分が楽しく無理なく続けていける活動を見つける」ことを大切にしていました。
参加者は市内外の高校生から社会人歴の長い方まで総勢10名。
内田未来楽校、「牛久にカフェをつくりたいんだ」、イドクボンガ、オリーブコミューンなど市原で思いをもって活動する団体を訪れました。
実際に作業を体験しながら、地元の人々がなかなか気づかない魅力や資源を発掘し、
それを自分の生きがいに重ね合わせ、それぞれがアイディアに落とし込んでいきます。
例えば内田地区では、報徳の教えにもとづき地域の人々が支え合って生きています。
参加者の一人である藤原さんはその文化に触れ、外から来た人が地域の困りごとを助ける仕組みを考えました。
農家のお手伝いや災害時の復旧作業などを通し、内外の人が交じり合うコミュニティをつくりたいという気持ちが芽生えたそうです。
また、はじめて落花生を炒った経験や谷津田の散策から、自然と共にある暮らしの面白さを感じた村島さん。
子どもや若者が里山から自然や食について学べる「未来の学校」をデザインしていくことになりました。
昔ながらのお肉屋や和菓子屋などのお店がならぶ牛久商店街では、最近カフェができ、にぎわいマーケットが定期開催されています。
荒れた竹林を活かすため、マーケットで竹細工のお店を出したいと語るのは山田さん。
子どもは竹を使った遊び道具、大人はコーヒーメーカーやスピーカーなど様々な楽しみ方を共有したいと期待に満ちた表情を浮かべていました。
市原市中野の丘陵地に広がるオリーブコミューン。
この地に100本のオリーブの木やハーブを植える高山さんの熱意に動かされた川添さんは、まずは活動のサポートから始めたいと言います。
そして、家と仕事の往復に疲れを感じた人々のための居心地のよい場をつくろうとしているのは山本さん。
ふるさとがない人が気軽に「通える田舎」を目指すそうです。
このように誕生したプロジェクトは十人十色。
当日の報告会に参加した市原在住のみなさんは、そんな外からの視点を取り入れた新しい企画発表を楽しみに会場に足を運んだのだといいます。
「市原は広く、行政の目が細部まで届きにくい。だからこそ活動の積み重ねで地域コミュニティを育むことが大切」
「自分が本気で動くことで救われる人がいる。それを原動力にゆっくり時間をかけて進めばいい」
発表者の背中をそっと押すような温かい声をいただきました。
今回うまれたプロジェクトの小さな芽には、それぞれが現地で感じたワクワクや地域の人の思いが投影されています。
地域でいきいきする自分の姿を見つけ、楽しい気持ちが地元の人に伝播していく。
まさに“しあわせの連鎖”を垣間見ることができました。
これからは、小さな芽を長く続けられる活動に育てていくフェーズに入ります。
まだ始まったばかりのプロジェクトにはもっと仲間が必要です。
「一緒にやってみたい」「少しでも関わってみたい」「もっと知りたい」
そんなあなたのご参加お待ちしています。
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