2019.07.16

公園を自由に使えたらしあわせな場面にもっと出会える

「バーベキューやマルシェなど賑やかで多少のクレームが発生する公園」
「ほとんど人がいなく一件もクレームが発生せず、今日もいい一日だったと公園管理者が笑顔で言う公園」

どちらの公園がみなさんにとって使いたいですか?


http://bit.ly/2GcGw7aより転載)

「犬を連れて入っちゃダメ」「ボール遊びをしたらダメ」と言ったたくさんの禁止事項が書かれた看板。

公園がもっと自由に使うことができたらたくさんの人達に楽しんでもらえる場所になると感じています。

公園は公園法条例や公園の管理者により細かなルールが決められているのです。 

先日行われたイベント都市・エリア経営のための公園「まちの未来は『公園』から?」では、これまで公園がどのように管理され、どのように使われてきたかを、直近の公園法改正に携わった元国交省の公園緑地課長だった町田誠さんにco-satenでお話して頂きました。

「公園」の始まりは明治時代からとされており、明治政府は国有地等税収に繋がらないような土地に「公園」という仕組みを作りました。

ところが、国で土地を管理することが難しくなった政府は、地方公共団体に「公園」という形で土地を管理させようとします。しかし、地方公共団体も公園を管理するような財源が十分でなかったため、民間に土地を貸し、売上の一部で管理費を賄うという方法が成立していきました。

つまり、もともと公園は民間の収益を上げる施設と共に存在していたのです。

近年は指定管理者制度によって公共施設の運営を民間企業やNPO法人などに委託している事例も多いですが、基本的には公園の管理をしているのは自治体です。

そのため、例えば公園でイベントをさせて欲しいと公園管理者に申し込むと、「“一般の利用者”がいるので認められない」、「“他の利用者”の迷惑になるので認められない」、「“前例がない”ので認められない」、と断られることが多いのが現状です。

公園がまちの未来にとってどう使われるべきか、これからは公務員、市民、事業者、それぞれの立場から可能性を共に考える必要があると感じました。 

その先進的な公園の事例として、東京都豊島区の南池袋公園をご存知でしょうか。


23区唯一の消滅可能性都市と言われた豊島区。

豊島区は、南池袋公園を “賑わいの創出”の重点政策として掲げ、公園プロジェクトを開始させました。そのアドバイザーとして参画したのが、全国でリノベーションまちづくりに携わっている株式会社nest(代表取締役 青木純さん)です。
http://layout.net/event/kaitaishinsho-03-report/

「公共空間を市民のステージにしたい」
そう考えた青木純さん。

はじめは公園に来るだけだった人たちが、「ヨガをやってみたい」「マルシェに出店したい」という思いをふくらませ、従来の「使い手(利用者)」の域を超えて公園空間のつくり手になっていく仕組みをデザインしていきます。

しかし、この仕組みを作る上で障壁の1つとなったのが、やはり自治体とのやりとり。

「もし事故が起きたら」、「クレームが来たら」、と慎重になってしまうのが自治体です。どうすればその障壁を突破することができるのかを一緒になって考え、小さくていいから実施できる機会をもらい、実際にそれを見てもらうことで青木さんは障壁を突破していきました。

行政も民間も描いているゴールが同じであれば、ひとつずつ事例をつくっていくことで、乗り越えられる。

そうしたアクションを繰り返し、その結果、2014年「消滅可能性都市」から一点、2017年度住みたいまちランキング1位になるなど、まちにとって公園の新たな価値を見出しました。

市原市でも使われてない学校や公共資産も多く、今後40年間で公共資産の建て替えや維持管理費が毎年111億円足りなくなると試算が出ている程です。

南池袋公園の例のように、これからの公共資産の活用を、行政だけではなく、市民も事業者も行政も一緒になって考えることで、新たな可能性が広がると感じています。

そこで、南池袋公園で実践を続けてきた青木純さんを市原にお呼びし、これからのまちづくりに必要な考え方をお話して頂きます。また、講演当日は市原市の小出市長とのクロストークも予定しております。

全国で活躍されている青木純さんのまちづくりに対する想いや活動事例、また小出市長が考えるまちづくりの視点など、これからの市原市を変えていけるアクションをこの日から皆さんと考えていければと思います。

日程:7月22日(月)18時から
場所:五井会館4F


お申し込みはこちらのサイトから↓
https://renovation-ichihara.peatix.com

主催者:いちはらリノベーションまちづくり実行委員会
mail:renovationichihara@gmail.com